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前回、新築物件を買うときの注意点の一つ目として「新築物件は同じスペックの中古物件より10〜15%割高」をあげました。

今日はその続きで、二つ目の注意点「ビルダーおすすめの住宅ローンはたいていハズレ」について書きます。



新築物件を売り出すとき、ビルダーは特定の金融機関とタッグを組んで営業をかけます。

モデルハウスを訪れたお客さんが「素敵な家だけど、(購入に必要な額の)住宅ローンが組めるかしら?」と相談すれば、営業パーソンは待ってました!とばかりに、自社と提携している金融機関の住宅ローンがいかにお得かを熱く語り始めるはずです。


これは、中古物件の購入ではありえないことです。

中古物件の売り手はその家のオーナー、つまり今まで普通に自宅としてそこで暮らしていた人ですので、買い手に「どこそこの銀行で住宅ローンを組んでください」と指定してきません。

買い手は家を見せてもらった後、いったん持ち帰り、自分が選んだ銀行のローン・オフィサーに住宅ローンの希望額が通りそうかを相談しなくてはいけません。



その点、ビルダーと金融機関の距離が近い新築物件は、個々のお客さんに対してその場でフレキシブルな対応ができます。


例えば、ちょっと年収が足りないお客さんには

「今日ご覧になった450,000ドルの物件には手が届きませんが、秋に告知が始まる380,000ドルの新築プロジェクトがあるので、そちらはどうですか」

と別の提案ができます。


反対に、融資可能額が高いお客さんには

「このオプションは人気で、通常7,000ドルを今だけ5,000ドルで提供しています。オプション代金も住宅ローンに組み込めます」

とよりたくさん買わせることができます。



お金を貸す金融機関の一存で、次々といろんな提案が出てくる。

しかも、それがモデルハウスという金銭感覚をマヒさせる装置の中でとなると、正常な判断力を失う買い手も少なくありません。





新築物件の購入でよくある失敗3つ



 キャンセル条項を理解せずに契約書にサインし、キャンセルしても手付金(earnest money deposit)が戻ってこなかった。


中古住宅の売買の仲介において、ほとんどの不動産エージェントは州指定の契約書フォーマットを使います。

独自に作成した契約書を使ってもいいのですが、州法に精通したプロが作ったフォーマットが無料で使えるのに、わざわざ自腹で弁護士を雇ってユニークな契約書を作ってもらう人はあまりいません。

州指定のフォーマットは、消費者保護の観点から「住宅ローンの本申請が通らなかった場合、手付金は全額返済する」と書いてあります。

もし、この条項を例外的に削除したいのであれば、売り手と買い手のサインが必要になります。


一方、ビルダーが使う契約書は自社物件の売却のためだけに作られており、州が作った契約書と比べると、かなりビルダーに有利な内容になっています。

「契約書にサインをしてから1週間以内に文書にてキャンセルの連絡がなかった場合、理由のいかんを問わず、手付金は返却しません」みたいな恐ろしいことがしれっと書かれているのです。




 必要のないオプションまで契約してしまった。


中古物件の売買では、本来の機能が損なわれている(食洗機から水漏れする・階段の手すりが外れている)、違法行為がある(許可を取っていない増築・違法植物の栽培)場合を除いて、現状有姿が基本です。

踊り場スペースに飾り棚をつけてほしい、キッチンのカウンタートップを大理石にしたい、カーペットをハードウッドに張り替えたいといった要求は「アップグレード」ですので、買った後に新オーナーがやるぶんには自由ですが、売り手に費用を負担する義務はありません。


一方、新築物件の売り手は、買い手にできるだけたくさんの「アップグレード」をしてもらいたいと考えています。

工事を担当するのはビルダーが提携する業者で、「アップグレード」の契約数が増えれば増えるほど、ビルダーに入るキックバックの額も多くなります。

さらに、先にお話したように、ビルダーおすすめの金融機関に融通が利くので「アップグレード」で余分にかかった費用を住宅ローンに組み入れる手続きも簡単です。


たいていの場合、買い手が過剰なオプション契約をしてしまったと気づくのは、最初の住宅ローン返済通知が届いたときです。

「毎月の返済額は2,000ドル(22万円)って言われたはずだけど、2,300ドル(25万3千円)になっている。おかしいなぁ」と銀行に問い合わせ、「オプション費用の35,000ドル(380万円)もローンで買いましたよね」と言われるのです。




 クロージング・コストを全額負担してしまった。


不動産登記料、譲渡税、弁護士などの専門家に払う料金など、住宅そのもの以外にかかるお金をまとめてクロージング・コストと呼びます。

エリアによって差はありますが、お手頃なエリアで2,000ドル(22万円)、高いエリアですと10,000ドル(110万円)以上になることもあります。

関連記事: 都市によってこんなに違う!買い手負担のクロージング・コスト



このクロージング・コストは、買い手が負担するものだと信じて疑わない人が結構います。

でも、まったくそんなことはなくて、オファーを出すときに「クロージング・コストを5,000ドル(55万円)まで売り手が負担してください」と書いてしまってOKです。


新築物件も例外ではなく、中古住宅と同じようにクロージング・コストの一部(ときに全部)をビルダーにお願いすることができます。(必ずしも買い手の要求が通るとは限りませんが)

これを知らずに、バカ正直にクロージング・コストを全額負担した買い手、本人たちは今も知らずにいるので表面化してこないだけで、実は結構な数にのぼると思います。




今日のブログの結論


ビルダーが新築物件を売り出すとき、たいてい特定の金融機関とタッグを組んでいる。

彼らは融資についてフレキシブルに提案してくれるが、買い手にとっては諸刃の剣。

とくに、オプション費用、クロージング・コストを住宅ローンに組み入れましょうという提案には要注意!



次回は、3つ目のポイント「新築でもインスペクションは絶対」について書きます。





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