Millennials

日本に一時帰国するとき、楽しみにしているのが学生時代の友人たちと会うことです。
年齢的に駆け込みで妊娠した人が多いので、20代のママたちのようにストローラーを押しながら人混みの中をガンガン歩く元気は残っておらず、最近は「ウチに来て〜」と言われることが増えてきました。

言われた私も、都内で働く30代夫婦がどんなマンションを選んでいるのかを見てみたい下心があるので、喜んで馳せ参じます。

なかでも住所が送られてきて一番ワクワクするのが、タワーマンション。
通称、タワマン
マンション名にムダにフランス語が入っていたりすると、たまりませんね〜。


タワマンの魅力は、何と言っても充実した共用施設
シアタールーム、ラウンジ、ジム、プール、ドッグラン。
いろいろ見せてもらいましたが、子供・ペット・水周りの三重苦で劣化が進みやすい施設も、さすがタワマン、管理の目が行き届いていてとても清潔です。

また、駅直結がウリになるのは、地下鉄を使って移動する人が多い東京らしいですし、敷地内にキッズルームや託児所があることから、母親が20代後半から30代前半の小さな子供がいる家庭をターゲットにしているのが分かります。



◆ アメリカの集合住宅が狙う世代は「ミレニアルズ」

日本のタワマンが子育て世代の要望を反映した住空間を目指している一方、アメリカではミレニアルズと呼ばれる世代をターゲットにした集合住宅が増えてきました。

ミレニアルズとは、1982年から2000年のあいだに生まれた世代で、年齢で言うと17歳から35歳にあたります。
アメリカ国勢調査局の発表によると、ミレニアルズは約7500万人とアメリカ全人口の4分の1以上を占める最大人口群となっています。

かつて消費の牽引役として注目されていたベビーブーマーも人口の4分の1を占めていますが、ベビーブーマーが今後30年間で激減するのに比べ、ミレニアルズは順調に数を増やし、2036年に人口のピークを迎えます。


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(出典:Pew Research Center)


今後20年間、人口のボリュームゾーンが30代・40代のアメリカ。
20年後には3人に1人が65歳以上の高齢者となる日本と比べると、アメリカは随分と「若々しい」ですね。



◆ キーワードはシェアリング・エコノミー

さて、最大人口群を占めるミレニアルズですが、彼らの消費動向はベビーブーマーとは異なります。
住空間に限らず、どんな商品やサービスでも、単純にベビーブーマー向けのものを焼き直しているだけでは、ミレニアルズを取り込むことはできません。


今日は、ミレニアルズに “選ばれる” ために、コンドミニアム・デベロッパーが取り入れ始めたトレンドをご紹介します。


working-space

まずは、ビジネスセンター

部屋の隅に旧モデルのデスクトップが並べられているだけの、あの空間。
プリンターは大抵壊れているか、紙が補充されないまま放置されています。
ミレニアルズは自分専用のラップトップを持っているので、彼らがビジネスセンターを使うとは考えられません。

ビジネスセンターにかわって、コンドミニアムに導入され始めたのがコワーキング・スペースです。

適度の距離を置いて配置された、様々なタイプのデスクやチェア。
チェアの数だけ用意されたコンセント。
言わずもがなの無料Wifi。

在宅ワーカーにとっても、建物内に自宅とは雰囲気が異なる “仕事をするための空間” があるのは、ありがたいですよね。




lounge

そして、ラウンジ

雑誌が並べられた棚、大きめのソファ、暖炉。
写真だけ見たら、シニアが入居するナーシングホームのラウンジと区別がつきません。
はっきり言って、若いミレニアルズが楽しめる要素ゼロ!

ラウンジは、大きめの窓から公園や町並みを見渡せるような、コンドミニアムの中の “一等地” に配置される施設です。
購入予定者への第一印象を決めるこの場所に、ラウンジのかわりに取り入れられ始めたのが、プロ仕様のキッチン付きのダイニングルームです。

友人を招いてパーティーを開きたいとき、シェフの出張サービスを使えば、レストランにはないオリジナルな料理をよりプライベートな空間で楽しめます。
プロの料理人の仕事を間近で見るのもエンターテイメントになりますし、特別に取り寄せたワインや食材をいちいちレストランに断りを入れなくても、気軽に持ち込めるのもいいですよね。




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最後は、大型駐車場です。

大型の集合住宅では、最低でも1世帯につき1台分の駐車スペースを確保するのが “常識” とされてきましたが、ニューヨークやワシントンDCなどの大都市圏に住むミレニアルズのあいだでは、車を個人で所有しないライフスタイルが浸透し始めています。

昨日読んだコチラの記事によると、ワシントンDCからポトマック川をはさんで対岸に位置するアーリントンで、世帯数の40パーセントしか駐車場がないコンドミニアムが提案されています。

駐車場のかわりに設置されるのが、ZipcarEnterprise CarShare といったカーシェアリングのスペースで、普段の通勤や買い物は地下鉄を使い、遠出したいときは1時間単位で車を借りれば、駐車場やメンテナンスにかかるコスト、数年で買い替えが必要になる煩わしさから解放されます。

また、サンフランシスコではデベロッパーが配車サービスUberと提携し、車を持たない入居者に “交通費” を還元する例も出てきました。
コンドミニアムから月額100ドルが支給され、うち30ドルをUberに使えば、残りの70ドルは市営の地下鉄やバスに使えるそうです。



今回紹介した3つの例に共通するのは、モノ・サービス・経験を共有することで、より便利かつ経済的なライフスタイルを提案している点です。


あと、個人的に思うのは、どの提案もフォトジェニックであること。

SnapchatInstagramを使いこなし、他の世代によりも「人からどう見られるか」に敏感なミレニアルズにとって、図書館や自宅こもっている自分より、コワーキング・スペースで友達と一緒に勉強している自分のほうが、写真映えがします。

友達とレストランに出かけ、その他大勢の客と同じ料理の写真を撮るより、出張シェフのパフォーマンス、ダイニングルームを自由に動き回って歓談している自分の姿をアップロードしたほうが、よりリア充な感じが伝わります。

便利で経済的、しかもフォトジェニック。
このキーワードを満たすサービス、他にどんなものが作れるかをいろいろ考えるのも楽しいですね。




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